FF7リメイク クリア後レビュー【FF7R/感想/評価】 ボス戦ゲー
投稿日:2020年4月26日 更新日:
前回FF7リメイクの序盤までをプレイしたレビューを書きましたが、今回はクリアした段階でのレビューになります。
FF7リメイクはダウンロード版とパッケージ版合わせて3日間で国内100万本、全世界で350万本を突破し、パッケージ版の消化率は95.9%という驚異的な数字で店頭で手に入らなかった人も大勢いたということです。
総合的に見て完全新作FF15の初動の売れ行きを上回る勢いですね。
これはFFシリーズでも特に人気の高い7のリメイクで、リメイクとは言えほぼ新作に近いフルリメイク、見た目ですぐわかる圧倒的グラフィック、そして体験版でのプレイ感覚も極めて好評だったことから予想どうりとも言えます。
実際体験版をプレイしたレビューも書きましたが、シームレスムービー、アクションとコマンドバトルの融合による白熱のボス戦で「たぶん神ゲー」と思ってしまいました。
≫【FF7リメイク体験版レビュー】ちょいアンチだったけどたぶん神ゲー
そして前回エアリスが仲間になるぐらいまでの序盤をプレイしたレビューでは思ってたよりもかなり「1本道ムービーゲー」でした。
しかし、圧倒的クオリティーでストーリーや心理描写、世界観を表現するのを最優先にしつつも一定レベルのゲーム性を保ち、長年、坂口氏から受け継がれたFFの映画的ゲーム表現も完成形に近づいてきたと感じ「ムービーゲーの完成形」と表現しました。
≫ FF7リメイク レビュー序盤編【FF7R/感想/評価】 ムービーゲーの完成形
そして今回ゲームクリアまでプレイしたわけですが、ムービーゲーの完成形という感想は変わらないにせよ、ストーリー最優先が故の細かい部分の不満も沢山見えてきました。それも踏まえた総まとめ的な感じで徹底レビューしていきたいと思います。
※ネタバレな部分もあるのでご了承ください。
FF7リメイク 良かった点、悪かった点
良かった、悪かったと単純に分けてみましたが、当ブログのコンセプトでも書いていますが、基本ゲームの性質を見て判断しています。
性質というのは表裏一体なところがあり、人によっては良かったことでも悪く感じたり、悪かったことでも良く感じたりする場合があるということです。
自分は基本ゲームにはゲームを求める人間なのでゲーム性が損なわれる仕様には悪い判定を下す傾向がありますが、ゲーム性よりストーリーを楽しみたい人にとっては良い部分なのかもしれないということです。
そのことも踏まえ最終的には自分なりに判断してみて下さい。
良かった点
前回の序盤までプレイしたレビューのおさらいになりますが、まずは「圧倒的グラフィック」というのが挙げられますね。ムービーシーンはもちろんのこと、実際に動かせるプレイ画面でさえもムービーと見間違えるほどのクオリティーです。
小物や看板に至るまで詳細に作り込まれています。そしてムービーとプレイ画面がシームレスに繋がっていきます。
街を歩けば人々が隅々まで溢れかえるほど存在し生活しており、歩いているだけでさまざまな会話が聞こえてきます。
道中も歩きながら仲間と頻繁に会話しながら冒険し臨場感を味わえます。
原作FF7では脇役クラスだったジェシーの存在感がリメイクでは際立っていてとても魅力的に描かれていますね。
FF7のヒロインと言えばエアリスとティファでしたが、リメイクではそこに操作できないにもかかわらずジェシーが加わった感があります。
とんでもない量のハイクオリティームービーでストーリーを演出し、キャラクターはフルボイスで描くことにより、それぞれのキャラクターの心理描写が描かれ魅力を十分に引き出されています。
個人的にはレノの声や口癖が独特で印象的なキャラクターになっていますね。
ローチェなどの新キャラも登場してきます。
ストーリー重視の一本道ゲーなのは確かですが、ダンジョン単位でみたらさまざまなギミックが施されていて探索感や攻略性はあります。
基本、アクションとターン性コマンドバトルの融合を駆使して強敵に挑むゲームになっています。(イージーは論外)
雑魚ですら硬めに設定されており戦術が必要になってくる場面もあります。
このゲームははっきり言って「ボス戦ゲー」です。ストーリー以上にこれが最大の魅力ですね。
ボスと思われる敵はリメイクでは大幅に追加されています。原作FF7では雑魚クラスの敵もボスとなって登場してくる場面もありました。
ボスは様々な個性豊かな攻撃をしてきて、さらにHPが減ると段階ごとにムービーが挟まれ、攻撃パターンがいくつか変化していく凝りようです。
どの敵も一癖も二癖もあり特に印象に残っているのはタークスのルードですね。格闘ゲームかよ!って思える動きをしてきてジャイアントスイングを食らってしまいました。
何気にエアリスにはちょこんとチョップしかしてこない場面が多く手加減しているようでした。紳士な坊主ですね。
このゲームは原作FF7の序盤にあたるミッドガル脱出までの作品でボリュームが心配されていましたが、ゲームクリアまでに要する時間は平均30時間程度と言った見方が多いようです。
ですが自分の場合なんと60時間もかかっていました!しかも召喚獣はイフリートしかとっておらず、クエストも数個しかやっておりません。
画面つけたまま放置なども多々あったので実際はもっと少ないはずですが、ボス戦で死にまくったり迷ったりしたのが大きいと思います。下手くそですね。
メインストーリーだけでも自分的にはもう十分と言っていいほどのボリュームに感じました。最後の方ではえ!?まだ続くの!はやく終われって内心思ったりもしたぐらいですから。
もちろんムービーが多いので実際操作できる割合はもっと少ないですがムービーでストーリーを表現してる時間もプレイの一部と考えます。
自分はまだメインしかほとんどやってませんが、やり込み要素は実際2週目からになります。HARDモードが選べるようになり、チャプターセレクトで任意のストーリーからプレイできるようになります。
取りこぼしたアイテムなども回収でき、HARDモード限定で裏ボスも登場するようです。
HARDモードはアイテム使用制限などあり鬼畜難易度とのことなので、ゲーム的なやりごたえはむしろ2週目からが本番となっており、2週目を含めるならボリュームはもっとあるということです。
良かった点まとめ
- 圧倒的グラフィック
- シームレスムービー
- 詳細に描き込まれた街並み、街には人が溢れ、会話も聞こえてくる
- 会話しながらの臨場感あふれる冒険
- 心理描写なども詳細に描かれキャラクターがより魅力的に
- ジェシーが新ヒロインに昇格
- ギミックが施されたダンジョン
- アクションとターン性コマンドバトルが面白い
- 白熱のボス戦
- 充分なボリューム
- クリア後のやり込み要素
悪かった点
ストーリーや世界観を描くというのを最優先にしている分、覚悟はしていましたがゲーム的な部分での不自由さというのはかなりあるRPGです。
広大なミッドガルを比較的自由に探索できるのでは?というわずかな願望を抱いていましたがそういうゲームではないですね。
ストーリーを進んでいくとチャプターというくくりで分けられ、そのチャプターに存在する場面にしか行けず、クリアまで二度と取れないアイテムや、クエストが出てきてしまいます。
先に進めると「ゲームを進めると発生中のクエストが進行できなくなります」などと警告がでるようになってますが、自分のやりたいタイミングでクエストもやれないとは、ものすごく強制感を感じて不自由を感じる仕様ですね。もうどうでもいいと先に進めてしまいました。
強制的にゲームが進んでいくので不確定要素が少なく、遭遇する敵の種類や数もだいたい同じになりがちです。
経験値を稼ごうにもストーリー上もう行けない場所ばかりなので稼ぐには死んでチャプターの最初から巻き戻すとかやるようになります。そもそも経験値稼ぎとかやらなくても進める難易度ですが。
ストーリー上PTメンバーが入れ替わり、そのPTメンバーに最適になるようにマテリアを組んで、外れたメンバーはマテリアを外してたりしたのですが、突然外れたメンバーを操作することになって戦闘が始まり、ケアルすらできないメンバーで戦闘になったりしました。
マテリア組み直すには結構ストーリーを巻き戻さないとダメな場合があり不親切でした。
ボス戦でキツイと感じ、召喚獣でも取りに行こうにももう入手できなかったりもしますし、弱点が分かってもマテリアが無くその戦略をやるには、困難な場面もでてきます。
一応道中こまめに自販機でアイテムやマテリア、ある程度の装備が買えますが、かなり巻き戻さないと行けなかったりもします。キツイと感じても結局今ある状態で挑むことがほとんどになりますね。
雑魚も含めて基本敵はみな固くて時間がかかるので、1戦1戦が死闘になりがちです。ストーリー後半になるほど顕著で、1戦闘ごとに疲れてしまいます。
1戦闘ごとは面白いのですが、全体の流れでみると単調で、もっとサクッと倒せるような敵もいたりメリハリがあったほうが良かったと思います。
1戦闘ごとが死闘なせいか、ボスはまだしも雑魚でも戦闘に負けたら戦闘直前に巻き戻してからすぐプレイできてしまいます。緊張感がどうしても薄れてしまうと思います。
別記事でも書きましたが、EASYモードは特に雑魚戦が作業化してしまいせっかくの戦闘が台無しになってしまうモードです。このゲームから戦闘を取ってしまったらゲームでは無く映像作品とか雰囲気ゲーになってしまいます。そこは残念ですね。
ゲームとしての最大の面白味を無くしてプレイをするのは勿体ないです。ゲームをやる気ない人に合わすモードなんてゲームをダメにするだけで、よくわからず選んでしまった人も可愛そうです。難易度はプレイヤーの経験と工夫で変えるからゲームになるわけです。
とは言え自分は1回だけEASYモードを使いました。勝手にティファとエアリスが組みにされ、狭い範囲に大量の犬が出てくる場面で瞬殺されてしまうのです。何十回やってもダメでした。
面倒だったけどチャプター戻ってマテリア組み直して範囲魔法でやってもキツかったのでバランスおかしいのか?と思って禁断のEASYモード使うしかなかったです。自分が下手な可能性もありますが。
EASYモードを使ったら本当に敵がゴミ化してしまったのでびっくりしました。これほどなのかと。使った自分がいうのもあれですがこういう使い方ができてしまうからEASYモードはいらないんですよ。特にいつでも変えられてしまうEASYモードは。
攻略サイトなどで経験値稼ぎはEASYモードにしてやろうと書いてますが、本腰入れた経験値稼ぎみたいな作業はEASYモードがあったら自分もやってしまうと思います。NORMALモードでやってたらただの縛りプレイしてる感覚になってしまいますから。
ストーリー重視ということもあり、基本ゲーム的に単純構造なのは否めません。ストーリーに沿って強制的に歩かされ、ムービーでストーリーを表現し、戦闘でゲームを表現する。大まかに言えばそういう作りになっています。
1戦闘とかで見れば試行錯誤する余地があり面白いのですが、ゲーム全体としての試行錯誤、プレイヤー自身が能動的に考える余地というのが少ないように思えます。
上記でも言ったような、召喚獣を途中で取りに行こう!とか、このボス強いから後回しにしてもっと弱点をつける装備ゲットしに行こう!とかのプレイヤー自身の判断で能動的に考える要素ですね。
そういう試行錯誤がゲーム全体に複雑に影響し合ってるゲーム性がほしいですが、ストーリー重視だと薄れる傾向にあります。
2週目になると、チャプターセレクトが使え、ストーリー関係なく戻ったりすることができます。取り逃したアイテムも回収でき、チャプター初めごとに難易度変えられますが、任意の場所では変えられません。
HARDモードが条件じゃないと出現しないものもあり、プレイヤーの試行錯誤や自由度、ゲーム性が増すのは2週目からになりますね。
ストーリー重視なので難しかったのかもしれませんが、本来1周目のラスボス倒す前にもこういう試行錯誤できてゲーム的に面白くなる要素があればと思います。
2週目から苦肉の策でストーリー関係無しのチャプターセレクトによる行き来を実現していますが、RPG的な冒険感は無くなってしまいます。しょうがないとは思いますが残念ですね。
悪かった点まとめ
- ゲーム的な部分での不自由さというのはかなりあるRPG
- ゲームを進めるとクリアまで二度と手に入らないアイテムやクエストなどがある
- 強制的にゲームが進んでいくので不確定要素が少なく同じになりがち
- クリアまでストーリー上もう行けない場所ばかりになる
- 突然メンバーが組みにされるのでマテリアなど装備してない場合も
- 1戦闘ごとは面白いが全体の流れでみると単調
- 雑魚でも戦闘直前に巻き戻せるので緊張感が薄れる
- EASYモードがゲームをつまらなくする
- バランスがおかしい場面があった(気のせいかも)
- ゲーム的にムービーと戦闘の単純構造
- 2週目から面白くなるゲーム性を本来なら1周目にほしい
FF7リメイク 評価:ムービーゲーでもあり ボス戦ゲーでもある
5点満点中何点?
評価:
自分的には5点満点中4点という高評価になっております。ちなみに100点満点中なら80点です。そしてどういうゲームかを一言で表すなら、
詳しくは上記で散々語っておりますので、意味はわかると思います。
戦闘だけじゃなく探索や成長など総合的に全てひっくるめてゲーム性があるのがRPGと思っていますが、このゲームはストーリー重視により、ゲーム性や自由度といった物が損なわれている部分があるのは否めませんが、ストーリーを重視しつつ一定レベルのゲーム性は保っています。
ムービーゲーの強みであるストーリー部分の圧倒的表現+ゲームとしての面白味はボス戦の圧倒的表現という2本柱で成り立っているゲームです。
どんな人におすすめ?
結論からいうと基本的に「全ての人におすすめ」できます。しっかりと作り込まれたクオリティーの高い大作ですからね。最近ゲームやってない人や、過去にFFやったことある人や、ゲーマーまで楽しめる作品だと思います。
基本1本道ムービーゲーなのは確かですが、圧倒的クオリティーなので引き込まれますし、ボス戦など大幅に進化してしっかりとゲーム的な面白さを作っていてボリュームもあります。
クリア後のやり込み要素から鬼畜難易度らしいですがゲーム的な面白さも増していくと思います。自分のようにムービーゲーは好まない人間ですら不満はあるにせよおすすめできる良ゲーです。
そして、よほど原作にこだわりがあり変化を好まない人でない限り「原作FF7を好きな人には間違いなくおすすめ」できます。
ストーリーや世界観、キャラクターなど大幅に進化して魅力的に描かれており、分作でミッドガル脱出までですが、ストーリーも十分に肉付けされておりボリュームも問題ありません。おそらく神ゲーと思ってもらえるでしょう。
もちろん原作をやっていなくて、「RPGにストーリーを求める人」にとってもムービーゲーの完成形、頂点と言ってもいいぐらいのクオリティーですので神ゲーです。
登場キャラクターが個性的でフルボイスで魅力的に描かれていますので、キャラクター性があります。「キャラクターアニメ好きな層」にも間違いなく受けるでしょう。自分はジェシーや、タークスのレノやルードが好きになりました。
意外なことに、「仁王やダークソウルと言った死にゲー層」にも受けるかもしれません。最近仁王2をプレイし、何度も死に試行錯誤しながらのボス戦が似ていると感じました。
もちろん仁王2ほどの難易度ではないかもしれませんが、ボス戦のやりごたえ達成感は通じるものがありますね。
2週目HARDモードではアイテム使用も制限されゴリ押しが効かなくなりますからシビアな戦闘になりもっと似てくると思います。
おすすめできる人
- 不満はあるけど基本全ての人におすすめ
- 原作FF7好きにおすすめ
- ストーリー重視派におすすめ
- キャラクター好きな人におすすめ
- 死にゲーのボス戦が好きな人におすすめ
まとめ
ということで、体験版レビュー、序盤レビュー、クリア後レビューと書いてきましたが、FF7リメイクは従来のスクエニらしいゲームで方向性は変わらないのはわかりました。
ムービーゲーを貫き、そしてスクエニの妥協を許さないまでの作り込みなどスクエニの本気を感じました。だからこそここまでのクオリティーに仕上げられたのだと思います。
FF7リメイクは分作になりますので、あと何部作でるのかわかりませんが、このクオリティーでいったらまた相当な年月がかかるとも感じました。今さら妥協はできませんのでまた高クオリティーな作品を気長に期待して待とうと思います。
1つ言うならば、FF7リメイクでムービーゲーとして相当なクオリティーでやり遂げた感があるので、FF16ではストーリー表現を最優先ではなく、控えめになってもいいので、ゲーム性にももっと比重をおいたFFも見て見たい気がします。
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