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思い出 考察

ゲームクリエイターになるにはマンガ「ドラゴンクエストへの道」を読むべし【必読本】

投稿日:2020年3月1日 更新日:

ドラゴンクエストへの道
この記事に辿り着いた人で将来ゲームクリエイターになりたいまたは興味があるって人いると思います。その人に質問します。

DON所長
ドラゴンクエストシリーズの産みの親は誰ですか?

簡単すぎてナメてるだろとお思いでしょう。おめでとうございます。その人は合格です。

「え!誰だっけ?」って思っちゃった人いないとは思いますが万が一いたらゲームクリエイターをあきらめることをおすすめします。

いるらしいんですよ。いるってどっかで聞いたんですよ。ゲームクリエイター目指して専門学校行って堀井雄二を知らないって人が。

世代が違うのかも知れないけど流石に世代で片づけられない案件だろ。

もし知らないって人、まだ辛うじて道は残っています。「マンガ ドラゴンクエストへの道」を読むことです。読めば道は開かれます。

もちろん知ってる人で読んだことない人も、プログラムやデザインの参考書を読む前に、この本を読むことです。ドラクエを生み出した伝説の人々の伝説のエピソードを垣間見ることができます。

ゲームクリエイターが嫌になってしまった時、この本がきっと情熱を取り戻してくれることでしょう。

ぴう助手
所長!ただのゲームブログ運営者でゲームクリエイターでもないのに随分上から目線ですね。
DON所長
・・・・。一応フロム・ソフトウェアに誰でもいける2次選考まで行った実績が・・。

熱い男達が試行錯誤しながら新たな物を生み出していく物語はゲームクリエイターに限らず全てのクリエイターに必読です!そして、単純に読み物として面白い!全ての一般人にもおすすめします!

まーまーなネタバレを交えながらドラクエ制作秘話などを紹介していきます。

ゲームクリエイター必読本!マンガ「ドラゴンクエストへの道」とは?

ドラゴンクエストへの道

概要

基本情報
タイトル マンガ ドラゴンクエストへの道
監修 石ノ森章太郎
作画 滝沢ひろゆき・石森プロ
原作 エニックス出版局
脚色 和智正喜
協力 堀井雄二・中村光一・すぎやまこういち・鳥山明・週刊少年ジャンプ編集部
編集 (株)小学館プロダクション
発売日 1990年2月15日 初版発行

マンガ「ドラゴンクエストへの道」とは、ファミコンソフト「ドラゴンクエスト」の誕生秘話を綴ったマンガであります。1990年2月15日に発売されたのでもうかれこれ30年前になりますね。

ドラクエ制作に携わった人々の出会い~試行錯誤しながらの制作~完成後までが描かれています。

監修はなんと仮面ライダーサイボーグ009などで有名な漫画界の巨匠、石ノ森章太郎が手掛けてるんですね。作画も石森プロ所属の漫画家である滝沢ひろゆきが描いております。無駄に豪華ですね。(失礼)

A5判で285ページのボリュームになっており、以下のような章仕立てで構成されています。

  • プロローグ
    第一回ゲームホビーコンテスト開催
  • 第1章 出会い
    コンテスト受賞者が出会う
  • 第2章 期待
    エニックスはファミコンソフト開発に全力で取り組むと決定
  • 第3章 決意
    RPGで世界一のゲームソフトを作ると決意
  • 第4章 タイトル
    剣と魔法の幻想世界でタイトルはドラゴンクエストに決まる
  • 第5章 音楽
    衝突しながら制作が始まり、音楽はゲーム好き「すぎやまこういち」に決まる
  • 第6章 制作
    数々の困難の末ドラクエが発売される
  • エピローグ
    3年の月日が流れドラクエ4制作打ち上げ会で今までを思う

当時ドラクエ4を学校のテストがあるにもかかわらず4日でクリアし、一段落してた頃だった気がします。

今は無き近所の御用達の本屋さんで黒光りするちょいと大き目でスライムがあしらわれた一冊の本を見つけました。

当時ドラクエと名の付くものは片っ端からチェックしておりましたので中身もろくに確認しないで即購入しました。

ドラクエ4をクリアした後でしたが、ある意味ドラクエ4より夢中になって読んでしまったかもしれません。そして5、6回は読んだんじゃないでしょうか。

今でも大事に心のバイブルとして家宝にしております。と、言いたい所ですが引っ越しの時何を血迷ったのか売ってしまったのです。後に後悔してプレミア価格にもかかわらず買い戻しましたけどね。

ここで1つ注意なのですが、自分が当時購入したものはオリジナル版であり、のちに「ガンガンコミックス」で再発行されたものの2種類が存在しております。

ガンガンコミックス版では再編集がほどこされ、改変や削除があるということです。

オリジナル版では複数の章で構成されていますが、ガンガンコミックス版ではエピローグ以外区切りがありません。

いくつかの登場人物の出演シーンが若干の改変(鳥嶋と話すシーンが喫茶店のマスターになるなど)、そしてけっこうエピソードも削られているのでできればオリジナル版を購入することをおすすめします。

主な登場人物

堀井雄二
堀井雄二
昭和29年、兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、ジャンプ編集部などでフリーライターをやりつつ、エニックス主催のゲームコンテストに「ラブマッチテニス」で入選。「ポートピア連続殺人事件」を経て、「ドラゴンクエスト」では主にシナリオを担当する。現在まですべてのシリーズにディレクターなどとして関わる産みの親。作中では、ひょうきんなキャラクターで描かれ、中村光一と仲の良いライバル関係でもあり、アイデアで上回るシーンもある。
中村光一
中村光一
昭和39年、香川県生まれ。高校時代、エニックス主催のゲームコンテストに「ドアドア」で優秀賞を受賞。大学入学と同時にゲーム開発会社「チュンソフト」設立。エニックスと関わりながら、「ドラゴンクエスト」ではメインプログラム担当。シリーズ5作品まで開発に関わる。ドラクエを離れてからも「弟切草」や「不思議のダンジョンシ」リーズなど数多くのヒット作も手掛ける。作中では、堀井雄二と仲の良いライバル関係で、千田やすぎやまと意見が対立することもある。
千田幸信
千田幸信
昭和25年、岩手県生まれ。エニックス常務取締役。「ドラゴンクエスト」シリーズや「ファミコン版ポートピア連続殺人事件」などのプロデューサー。作中では、プロデューサーとしてRPGの可能性やゲーム音楽の重要性などを見出し「ドラゴンクエスト」の方向性を決める役割を果たしている。
すぎやまこういち
すぎやまこういち
昭和6年、東京都生まれ。「ドラゴンクエスト」シリーズ音楽担当。文化放送、フジテレビを経て作曲家となる。主な作品として「花の首飾り」「帰ってきたウルトラマン」「モナリザの微笑」(タイガース)等がある。ゲームマニアとしても有名。作中では中村にゲーム音楽に理解がないのではないかと反発されていたが、堀井や中村とのゲーム話しで意気投合する。
鳥山明
鳥山明
昭和30年、愛知県在住マンガ家。ドラゴンクエストシリーズ、キャラクターデザイン担当。昭和55年、週刊少年ジャンプより「Dr.スランプ」でデビュー。「ドラゴンボール」の作者。作中では、可愛らしいモンスターが開発陣に絶賛され、偉そうなところがなくてフツーの人みたいと言われる。
柿原
柿原
エニックス企画部所属で千田の部下をする女性スタッフ。作中では、「悦ちゃん」の愛称で親しまれ、明るい性格のムードメーカー的存在。ゲーム初心者で初心者なりの何気ないアイデアが窮地を救う場面も。シリーズ第1~4作品でエンディングクレジット表記されている"RIKA SUZUKI"がモデルとされている。
森田和郎
森田和郎
昭和30年、富山県生まれ。エニックス主催のゲームコンテストに「森田のバトルフィールド」で最優秀賞を獲得。「森田和郎の将棋」など様々なゲームを開発した人物。プログラム技術の高さでも知られたプログラマー。森田将棋開発は他の多くの将棋ソフトに影響を与え、プロをも凌ぐ高レベルの将棋ソフトが生まれる土台をつくったとされる。作中では、表彰式に現れた程度で描かれる。
鳥嶋
鳥嶋
昭和27、新潟県生まれ。年週刊少年ジャンプの名物編集者。堀井雄二やさくまあきらをゲーム世界に導いたり、鳥山明の担当者として知られる。「Dr.スランプ」では「Dr.マシリト」として悪者役で登場。ジャンプの企画ページ「ジャンプ放送局」「ファミコン神拳」なども編集。週刊少年ジャンプ第6代編集長、Vジャンプ初代編集長も務めた。作中では、フリーライター堀井雄二にエニックス主催のゲームコンテストの取材を依頼している。

主人公は堀井雄二なのか中村光一なのかはっきりしない感じで描かれますが、ドラクエ制作によって関わっていくことになる多くの人物が登場します。

鳥山明すぎやまこういちなど誰もが知っている巨匠から、ドラクエ1~5まで制作に関わりチュンソフトの創設者中村光一。断トツのイケメンで描かれてますね。

かなりの主要人物として描かれているドラクエのプロデューサー千田幸信や、アラレちゃんで登場したDr.マシリトの元になった週刊少年ジャンプ名物編集者の鳥嶋氏もチラっと登場します。

ヒロインどころとしてはエニックスの女性スタッフ柿原「悦っちゃん」がいますね。ドラクエ制作によってさまざまな人間が出会い、さまざまな人間ドラマが描かれています。

ここでは省略しましたが、他に保坂というエニックス社員(オリジナル版のみ登場)、安野という男性スタッフ(実際のゲームでも安野隆史というグラフィックデザイナーが関わっている)、エピローグに登場する山川という女性スタッフ(シリーズ第4作エンディングクレジットにも"ERIKO YAMAKAWA"というアシスタントの名前が表示)が登場します。

余談ですがこの山川という女性スタッフ、もしくは悦っちゃん。自分が糞ガキの頃エニックスに電話したことがあるのですが、その時に電話で対応してくれた女性が山川さん、もしくは悦ちゃんだったのではないかと勝手に妄想します。

エニックスに電話して爆笑されたエピソードをチラッと書いた記事があるので参考までに。

≫【ファミコンの思い出】ドラクエからFFの登場による違和感

マンガ「ドラゴンクエストへの道」ドラクエ制作秘話17選 ネタバレあり

ドラゴンクエストへの道

ドラゴンクエストへの道では、数多くのドラゴンクエスト制作秘話が語られています。多少演出上脚色されている部分もあるかもしれませんが、大筋ではリアルなエピソードと思われます。

後世に語られる伝説級の秘話をまとめました。

ドラゴンクエスト制作秘話

  1. ファミコン初期の容量は256K
    グラフィック10枚入れたらストーリー部分なんか入らないが、「ポートピア連続殺人事件」ならば容量的にファミコンに移植可能と判断した。ちなみにドラクエ1は512K、ドラクエ2が1M、ドラクエ3が2M、ドラクエ4が4Mと年々容量は増えていった。
  2. RPGの前にアドベンチャーゲーム
    RPGはプレイヤーが沢山の情報を処理して自分で判断していくゲーム。RPGを出す前に、ファミコンユーザーに文字で情報を読み取って判断していくことを覚えてもらう為に、先にアドベンチャーゲーム(ポートピア連続殺人事件)を出した。
  3. コマンド選択方式を採用
    当時のパソコンのアドベンチャーゲームはコマンド(命令)を行う時キーボードの文字を一文字ずつ打っていたが、ファミコンにはキーボードがないので、コマンド選択方式にした。
  4. 「森田和郎の将棋」のユーザーアンケートにすぎやまこういちが送っていた
    エニックス宛てに届いた「森田和郎の将棋」ユーザーアンケートのハガキにすぎやまこういちの名前があり、それがきっかけでゲーム音楽を依頼することになる。
  5. 戦闘は「ウィザードリィ」型で全体はウルティマ型
    RPGは想像の中で遊ぶゲームでアクションはジャマになるとして、ファミコンユーザーの想像力に賭け戦闘はウィザードリィ型とした。全体はウルティマ型でデザインが似てしまうのが課題だった。
  6. マルチウィンドウを採用
    今でこそ一般的になったマルチウィンドウ形式(画面上に複数の窓を出す)だが、当時はビジネス用パソコンに多少使われているだけだった。画面に2個3個と重なるように表示され情報を順序立て分かりやすく表示。画面を全部マップとして使え見やすくなり、ウルティマ型との差別化もできこのゲームの個性になった。
  7. LVの表示をあえて残した
    LVの表示をウィンドウにいつも表示させる必要はないとして削除しようとしたが、千田はファミコンはパソコンと違いみんなで遊ぶコミュニケーションメディアであり、周りの人を意識したときに必要として残した。
  8. カタカナは20文字
    ドラクエのゲーム内のカタカナ名は「イ・カ・キ・コ・シ・ス・タ・ト・ヘ・ホ・マ・ミ・ム・メ・ラ・リ・ル・レ・ロ・ン」の20文字+「゛」と「-」しか使えなかった。ポートピアでは原作「ゆきこのペンダント」が「ぺ」の文字が使えないので「ゆびわ」に変わったいきさつがある。ゲームプログラムは常に容量との戦い。
  9. RPG初のファミコンユーザー向けに一対一戦闘
    戦闘はパーティープレイの方が面白いが、始めから数人分のコマンド入力をさせるのはあまりにも酷として一対一戦闘とした。
  10. 人の配置で気づかせる
    ラダトームの城やリムルダールの街の外側に人を配置させることにより、こんなとこまで歩けるというのを気づかせた。
  11. 地下へ降りるほど変化
    ダンジョンの地下へ降りるほど音程を下げテンポをゆっくりにしてだんだん下へ行くような臨場感を出した。
  12. LVアップの楽しさ
    LV2になるには経験値20が必要だったが、最初の印象ですべてが決まるとして、LVアップの楽しさを体験してもらうため経験値7にした。
  13. 王様の部屋に閉じ込めた
    ゲームのスタート地点が城と街の間のフィールド上だったが、必ずしも城に入ってくれず、ゲームの遊び方を覚える前に死んでしまう人がいた。スタート地点を王様の部屋にして、宝箱から「とる」ことを覚え、かぎがないと扉が開かないことを知り、「かいだん」のコマンドで昇り降りすることを学習させ、遊び方を覚えてからきちんとゲームをスタートできるようにした。
  14. SPに音楽を作らせていたが「すぎやまこういち」になる
    千田はドラクエには想像力をかきたてるプロの作曲家のいい音楽が必要としていたが、中村はゲームを知らなければ本当にいいゲーム音楽が作れない、SP(サウンドプログラマー)にも音楽を作らせたとして対立。しかしすぎやまはゲームに詳しく意気投合してすぎやまになる。
  15. フィールド音楽「広野を行く」だけイメージと違う
    中村は、「この曲はいい曲だが勇敢なイメージに欠ける。ゲーム中で一番よく流れ、この曲がゲームを決める。」としていた。すぎやまは、「この曲の親しみやすさは必ずみんなに受け入れられる。」として意見が対立。結局みんな鼻歌で「広野を行く」を歌うほど刷り込まれ採用。
  16. 後半敵の攻撃が単調だったので発売を1週間遅らせる
    敵の攻撃がアタックとギラとホイミと炎で、LV15ぐらいから戦闘が単調で緊張感がなくなるとして、中村が千田を説得し、発売日を一週間遅らせた。
  17. 虹のしずくを持っていても橋がかからない
    デバック作業で虹のしずくを持っていても16分の1ぐらいの確率で橋がかからないバグが見つかるなどハプニングの連続。

まとめ:原点にして頂点 RPGのお手本

ドラクエ1は原点にして頂点、RPGのお手本を作ってしまったと思っています。本当に完成されています。

その完成度は限られた容量の中で妥協せずにユーザー目線で少しでも面白くしたいという情熱が作り上げたのだと、「ドラゴンクエストへの道」を読んでわかりましたね。

竜王討伐という目標に向けてプレイヤーは主人公になりきり、竜王討伐以外ほぼ指示されることなく、自分の考え、意思で冒険している感覚は本当に自由を感じことができました。

アドベンチャーゲーム「ポートピア連続殺人事件」でコマンド選択しながらプレイヤーは事件を自分の考えで解いていきます。

その延長線上にドラクエというRPGもあるわけで、プレイヤーはより行動範囲ややれるこが広がっていきました。迷ったりしながら制作者側が容易した謎に気づいて解いていきます。

スマホ版ドラクエ1などでは、その緻密に練られた謎の答えを最初からバラしてすべてぶち壊してしまっていますね。

本来各地にいる街の人の情報や自分の勘を頼りに謎を解いていたのに、重要アイテムや階段などをキラキラ光らせて答えを知らせたりしています。例えば竜王の玉座の後ろの隠し階段などです。すべてをぶち壊しなんですよ。

ドラクエ1はファミコンユーザーにも分かりやすく親切にとっつきやすいようにRPGを構築して、RPGというものを一般人に広めることができました。

分かりやすく親切にとっつきやすくするというのは、あくまでゲームを遊びやすく面白くするためにやっていることです。

ただ単に簡単にしてゲームの面白さがなくなってしまっては本末転倒なんですよ。当たり前なことです。

最近のゲームは親切という意味をわかってないものが多く、その過剰な親切がゲームをつまらなくしてしまっているわけですね。

今一度RPGの原点と言ってもいいファミコン版ドラクエ1に立ち返って、その素晴らしさというものに気づいてもらいたいですね。そのために今回「マンガ ドラゴンクエストへの道」というマンガを紹介しました。


自由とは何か?ゲームとは何か?を語った記事もありますので良かったら是非合わせてお読み下さい。

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