【FF16 吉田直樹インタビュー考察】リニア式一本道ムービーゲー確定で物申す!当たり前な自由がほしい
投稿日:2022年7月3日 更新日:
ファイナルファンタジーシリーズ最新ナンバリングタイトル「ファイナルファンタジーXVI」(以下、「FF16」)が、2023年夏にPS5にて発売されることが発表されています。プロデューサーはMMORPG「FF14」などを手掛けた名プロデューサー吉Pこと吉田直樹氏が担当しております。



FF16プロデューサー吉田直樹氏のインタビュー公開により、FF16がどういった方向性のゲームになるのかというのがだいたいわかってきました。今回のインタビューで気になったことをピックアップし、自分なりの意見を交えながら考察と言う名の不満をぶちまけていきます。


追記!
FF16体験版をプレイしたレビュー記事も書いたのでよかったら合わせてご覧ください。
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【考察】FF16 吉田直樹インタビュー
6月22日、本作FF16のプロデューサー吉田直樹氏によるインタビューが、ファミ通.comなど各社ゲーム情報サイトにて掲載されています。そこで語られている情報から、FF16の気になるポイントをピックアップし、考察していきます。
トレーラーは好評
- もう少し賛否が分かれると思っていたが当初の想定よりもポジティブな意見が多かった
- 「何だかわからないけどすごそう」「召喚獣大戦、怪獣大決戦みたいだなと思ってもらう」というコンセプトで作成
- 次のトレーラーは秋ぐらい
- オープニングトレーラーなどではなく、すべてインゲーム、95%くらいリアルタイム処理

初めてトレーラーを見た時の感想は、アクション制が高そうというのは思いました。そして硬派なイメージ、召喚獣も出てきたのでFFらしさもあるという印象です。
開発者は賛否が分かれそうと思っていたようですが、これだけじゃよくわからないし、クセがある映像でもなく、賛否の分かれようがないと思います。
逆に言えば、もっとクセがあるというかインパクトがほしい気がしますね。召喚獣大戦みたいですごそうと思ってもらうコンセプトのようですが、見た目は今までのFFの召喚獣戦と同じようなイメージなので、驚きはなかったです。
セリフも含め先行作成
- 開発スタートから7年近く立つが初期はごく少数のメンバー
- コアコンセプト→テーマ→世界観→ストーリーを固めることから始めた
- セリフも含めてすべて先行して作成

セリフも含めてすべて先行して作成というのはスクエニらしいですね。ガチガチに固めたストーリーに、後からゲームを当てはめるわけです。矛盾がないように強引にプレイヤーを誘導していくことになり、1本道RPGになるのは必然でしょう。

オープンワールド不採用
- オープンワールドという要素はなし、迷うぐらいなら採用しないでOK
- 15年ほど開発期間があれば可能だが、世界規模のストーリーをオープンワールドで作るとなると、期間的にも、コスト的にも現状不可能に近い

オープンワールドだからって15年は流石にかかりすぎだろと思いますが、スクエニはグラフィック、ストーリー重視なゲームを作ってきたので、オープンワールドを仕上げるノウハウなどもないからだと思います。
人材を育てる期間、試行錯誤の期間を考えたら15年はかかるということでしょう。
FFシリーズとは何か
- 「FF」はシリーズ全体を通してのファンが意外と少ない
- 好きなナンバリングタイトルが分かれる
- 肯定的な意見ばかりでなく、否定的な意見も認めないと、世界中のゲーマーに遊んでもらえるゲームにはならない

肯定的、否定的うんぬんは当たり前なことですね。ですが、人の意見に左右ばかりされてるとしたら、それは自分の意見、考えを持っていないということで面白いゲーム、作品を作れるわけがありません。
このインタビューではブレない強い信念みたいなのが自分はあまり感じられなかったです。迷いがあるんでしょうね。
売れる作品狙いで保守に走っている?
- シリーズを今後出し続けるためにも、売れる作品でないといけない

自分もそう思いますね。失敗はできないという思いから当然挑戦的なことはできなくなります。オープンワールドを断念したのも結局保守に走ったからです。

ムービーゲー確定
- 自分たちの考えた最高のゲームを作ればそれが「FF」
- 最高だと思う「FF」は何かと考えたとき、どんなシステムであれ、まずは「最高のストーリーとゲーム体験が得られることだ」
- 「FF1」をプレイしたときに、「映画のようなゲーム体験だな」と感じたことが大きい
- 演出やセリフのタイミング、ドラマ性、サウンド、それらがすべて組み合わさって、最高のゲーム体験
- チョコボとモーグリがいたら、もう「FF」

それどころか、スクエニがお得意とする今までどうりの一本道ムービーゲー路線で、本当に最高のゲームと思って作っているのか疑問です。
「FF1」など初期のFFをプレイした時、映画的なストーリー展開なのも魅力ですが、それはゲームとしてRPGとして、しっかりとしたゲーム性があった上で、映画的でもあるから面白いと感じたわけです。
飛空艇をとった時などの未知の世界を自由に探索するワクワク感、冒険感など、昔のRPGに当たり前にあった「自分の意思で自由に冒険するあの感覚」もありました。1本道っていう感覚も薄かったはずです。
このインタビューの言い方だと、演出とかドラマ性、サウンドとかチョコボとかモーグリいたら最高のゲーム体験ってことじゃないですか。ゲーム部分のこと何にも言ってない。それでゲームになると思いますか?随分ハードルの低い最高です。
ただの映画でしかなく、映画作ればいいじゃないですか。ちゃんとゲームとしての面白さがあった上での映画的演出だから感動するわけです。じゃなきゃ本末転倒であって、FFの魅力、RPGの魅力をなんにもわかってないと思ってしまいます。
はっきりいいますが、だからFF13のようなゲームになってない究極の1本道ムービーゲーを平然と作らせてしまいFFブランドが崩壊したんですよ。

戦闘はアクション
- コマンドとターンベースのRPGで育ってきた世代でそのおもしろさも、没入感もわかっているつもり
- キャラクター表現はすべてリアルタイムに行えるようになり、コマンドを選択して戦うという感覚について理解ができないという意見をかなり目にするようになった
- いい、悪いというお話ではなく、世代や好みによって、差が大きく開いてしまっている
- 開発チームが迷い、中途半端なシステムになり、結果、何度も作り直しが発生するくらいなら、なしになってもかまわない

追記:バトルは元カプコンの鈴木良太氏がコンバットディレクターとして参加するようです。「デビル メイ クライ 5」や「ドラゴンズドグマ」などを手掛けてきたとのことです。これは期待できるかも。
迫力の召喚獣バトル
- FF16のバトルは大きく3タイプ(主人公VS小型敵、主人公VS大型敵、召喚獣VS召喚獣)
- 「FF」のイメージである召喚獣を全面に出し「超巨大な召喚獣どうしがガチンコでぶつかったら」というイメージ
- 召喚獣を自分で動かせる
- 召喚獣どうしのバトルは、システムの使いまわしは一切しておらず、バトルごとにすべてフルスクラッチ、かつゲームコンセプトを変えている(3Dシューティングバトル、プロレスバトルなど)
- すべてシームレスに、一切のロードがなく、ストーリーとリアルタイムバトルとドラマがジェットコースターのようにつながる

すべてがシームレスなのは当たり前ですが、シームレスだろうとドラマ部分がおそらくずっと動かせないでムービーを見せられるわけで、アクションなのにテンポが悪いということになるかもしれません。
リニア式(1本道RPG)確定
- 超ド級超高速ジェットコースター
- フルボイスに近い
- サイドクエストあり
- 基本的にはリニア式(大きなストーリー分岐などがない、1本の物語を追って展開)
- オープンワールドを採用しなかったからこそできる突き詰めたゲーム体験
- 4つほどそれなりのフィールドがあり
- 簡単なクラフトの概念もあり、自分の武器などを作るといった要素も存在
- ストーリー上は無理に脇道に引っ張っていくといったことをあまりしていない
- ゆっくりとなめまわすように遊んだり、物語に引っ張られるままメインストーリーを突っ走ってもいい

だって昔のドラクエやFFは自由を感じましたから。今のオープンワールド以上に。この辺のことは総評で語っております。
アクション苦手な人モードあり
- やり込み用の高難度モードは用意
- 配信をしながら遊ぶ方々のために、各ステージのスコアアタックのような遊びや、特定の召喚獣アビリティに制限された特殊なバトルコンテンツ
- アクションゲームが苦手な方でも絶対に楽しんでもらえるように保証
- 「ストーリーフォーカスモード」と「アクションフォーカスモード」という二つのモードを選択
- ストーリーフォーカスモードは猶予3秒のスローがかかって超絶回避など
- アクセサリーの付け替えでいつでもモード変更
- バトルはパーティの概念もあり、マニュアル的な指示やAIに任せたりも可能
- ジョブの概念はなし

このモード使ってクリアして同じ達成感、同じ楽しさを味わえるでしょうか?困難に直面すればつい使ってしまうのが人間です。このモードの存在だけで緊張感がそがれてしまうんですよね。
レベルあげるとか、強い武器取るとか、弱点付けば簡単になるとかいくらでもやりようがあるでしょう。そもそもアクションヘタでも慣れればうまくなります。
戦闘にしかゲーム性がない傾向にある最近のFFで、戦闘を取ったらゲームでは無いですよ。
何をプレイヤーに媚びてるんですか?海外のゲームの影響か知りませんがこういうバカな風潮いいかげんやめにして下さい。

FF14とのリンクなし
- クラシックファンタジー、中世ヨーロッパに、日常の道具として魔法が存在しているといういわゆるファンタジー世界
- 似てしまう部分があるがFF14の世界とはリンクしていない(プレイしていない人には疎外感を与えてしまう)

【総評】これで最高のゲームと言えるのか?
吉田氏のインタビューにより、FF16というゲームがだいたいどんなゲームになるのかがわかってきましたが、やっぱり腑に落ちないモヤモヤが湧きおこるのです。自分なりの見解を述べていきたいと思います。
オープンワールドじゃなくてもいいから当たり前な自由がほしい
FF16が一本道RPG確定でファン歓喜!という記事も目にしますが、自分はファンというわけではないですが、そんな単純に喜んでいるわけではないと思いますよ。
先日モヤモヤしていたところ、こんなツイートを見かけたので反応してしまいました。
FF16が一本道ゲーと言われて受け入れられる時代かぁ
オープンワールドにしろとは言わんけど飛空艇とかチョコボでフィールドマップを駆け回り
場合によっては潜水艦とか地底マップとか
果ては月面マップとかまで自由に世界を探索するのが
FFつかRPGの醍醐味だったんだけどもはや古い話かぁ
— L-RON (@aileron9901) June 28, 2022
この方とだいたい同じ感覚ですよ。別にFFにオープンワールドまでは求めてないんです。そもそもオープンワールド=自由度高いってわけでもないですから。
無数にクエスト散りばめて、ただ指示されたとおりにこなしていくありがちなオープンワールドだったら自由じゃないですしね。それとスクエニがそれをマネても、物量、世界の作り込みで海外製品にかなうとも思えません。
だからと言って、

飛空艇とかとって、未知の世界が広がって、どこから探索しようか?何が待ち受けているのか?自分の意思で自由に探索するワクワクドキドキするような冒険感、自由度が昔のRPGには当たり前にありました。
そして、あの敵強いからもっとLV上げよう、お金貯めて装備整えよう、どこか効率よいとこないのか?強い武器探しに行こうなどなど、色々自分で試行錯誤して考えながら冒険しました。そういう当たり前の試行錯誤、自由と冒険感でいいんです。
余談ですが、そういうゲームとして当たり前にあった感覚を大事にして現代のクオリティーで作っているのがダークソウルやエルデンリングだったりするわけです。
近年のFFはストーリーを矛盾なく体験させるため、プレイヤーを強引に誘導し、プレイヤー自らあれこれ試行錯誤して考える余地が激減しました。昔のRPGにあった当たり前の自由がなくなっていった傾向にあります。
FF16はあらかじめセリフすらガチガチに決められており、リニア式宣言もしているので、ストーリーを表現するためにプレイヤーを強引に誘導し、全自動ムービーを長時間見せられながら言われるままに進んでいくのはほぼ確定です。
ゲーム部分は戦闘で表現すればいい、あとはストーリーを語る場所。極端に言えば合間にムービー挿入したただのアクションゲームです。そういう単純構造になっているでしょう。本来、戦闘だけじゃなく、探索や成長など総合的に全て影響し合ってゲーム性があるのがRPGですから。
多少のクエストや高難易度モードでやり込み要素などは作ってるでしょうが、そんなミニゲームの寄せ集めみたいなのでゲーム感を出すのではなく、本編のプレイで1つの骨太な普通に冒険感のあるRPGを作って下さい。
膨大なクエストなんていらないし、ムービーがあったっていいし、多少強引でもいい。自分の意思で冒険している感覚、試行錯誤の余地、昔のRPGにあった当たり前な面白さを忘れないでほしいですね。
PS5の時代に一本道ムービーゲーでいいのか?
それともう1つモヤモヤする言っておきたいことがあります。自分たちが考えた最高のゲームが「FF」と言ってましたが、これが本当に最高なのかと。
PS5になり、実写と見間違うほどのクオリティーに進化し、しかもリアルタイムで処理され動かすことができる時代になりました。そんな時代にですよ、主人公たちが勝手に動き出し寸劇する映像を、プレイヤーは一切操作できず、何時間も見せられるわけです。
「リアルタイム戦闘でギリギリ敵の攻撃をかわし、必殺技でボスにとどめを刺しました!経験値入りました!自分の力でやっと倒しました!」
「あれ?急に主人公が勝手に動き出しました?あれ?ボスまだ生きてました?主人公と仲間が勝手に連携しだして見たことない必殺技を勝手に繰り出しました?ボスに止めをさしました?主人公と仲間が長々と会話しだしました?会話の中にでてきたよくわからない場所に勝手に移動しはじめました?」
「何このプレイヤー置いてけぼり感。コントローラー奪われたのかもと思ったよ。」

こんなゲームになるでしょうね。自分ではなく客観的に臨場感のある映画を見ている感覚です。昔はこれでも良かったのかもしれません。
令和の時代にまだこんなことをやっているのかと思うところがあります。映画を見ている感覚ではなく、自分自身が主人公になりきって体験している感覚をゲームなら、PS5の性能ならできるはずなのにと。
一本道ムービーゲーだと、「映画を見てるような臨場感あふれる体験をしているゲーム」になってしまいがちです。映画のような体験を目指しているならそれでいいのかもしれません。
最高のゲームと言うからには、「映画の主人公になりきって臨場感あふれる体験をしているゲーム」こっちの方が最高だと思うんですが。
【まとめ】すでにゲームは映画を超えてしまっている
吉田氏はFF14を立て直し、世界一のMMORPGに成長させた名プロデューサーです。絶対に失敗が許されない状況で、冷静に自分達の状況を分析し、確実に結果が出る方法を見極めたからこその成功です。
FF16はリニア式と言っても、FF13ほどの1本道ゲーではないでしょうし、試行錯誤する面白さも思ったよりあるかもしれません。確実に売れるゲームという目標で、自分達の能力を過信せず、今スクエニが出来る範囲の最高のゲームを提供してくれるでしょう。
しかし、先ほども紹介しましたが、「売上、評価、前作を超える等、そういったハードルを設けると不純物になり易く、保守的になる」というフロムの宮崎氏の言葉がよぎります。
今の時代綺麗なグラフィックや臨場感は当たり前で、映画を目指すにも、すでにゲームは映画を超えてしまっているんですね。そこを目指してもゲームとしては時代遅れになってしまうんです。
スクエニもそこは気づいているはずで、綺麗なグラフィックや映画的表現だけではいずれ通用しなくなるはずだと。しかし保守に走って、ゲーム的面白さの追求、挑戦的なゲームを作らないでいたからFFブランドは昔より確実に落ちていったのだと思います。
フロム信者と言われるかもしれませんが、そこが世界的評価が高いゲームを作れるフロムとスクエニの差かと。


追記!
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